温熱療法とは

三井と女子式温熱療法の歴史

 三井と女子(とめこ)先生は、1915年山梨県に産まれました。

 山梨女子師範学校を卒業し、30年間教育に従事しましたが、60歳にして医業の道に転身し、1978年東京鍼灸学校を卒業。指圧マッサージ師・回路プラクターの資格を取得。そして指圧等の施術を実施しおりましたが、思うようにご利用者さんの症状が改善しませんでした。

 そこで、独自に温熱治療器を考案し、患部を温熱器で温めるという「温熱療法」を編み出したところ、ご利用者に著しい改善が見られたのです。

 三井先生は、平成7年の第1回日本ガンコンベンションで、がん治療に温熱療法が著しい効果があることを発表しました。とりわけ、がんに罹患したご利用者に対しての施術が、元東京大学付属病院の帯津良一先生や2016年にご逝去された安保徹先生のお目に留まり、民間の代替療法として非常に高い評価を得ています。

三井と女子式温熱療法の考え方

■人間の身体組織は熱で動く

 温熱療法は、失われた熱を補充して、神経と心・体のバランスを保ちます。そして、生命現象を営んでいる中枢である脳・脊髄神経および自律神経に生命の源である熱を与えていきます。

遠赤外線の温熱器を使用し、経絡・内臓などを温めることで体の深部を温め悪い箇所を治していきます。

下記が三井先生の著書『注熱でガン・難病が治る』より抜粋した温熱療法の考え方です。

80%の病気は心身消耗によるエネルギー不足によって起こるから、この消耗によって受けた自律神経の異常に、不足した熱を補充してあげれば、体力、気力が蘇って病気は治るのです。『注熱でガン・難病は治る』(三井と女子著:一光社刊より)

 極めて明快で単純な理論ですが本質を突いており、このようにして病気を治す・防ぐことができれば、患者さんを励ます力がますます強くなり、病気の治癒率は上がることでしょう。

■『異病同治』の考え方

 『異病同治』という言葉を簡単に表すと、「あらゆる異なる病気でも治し方は基本同じである」ということ。まさに温熱療法の神髄です。

 どのような病気がどこに、どんな風に出現しても注熱をすることで、自律神経に「活」が入り内外の血液循環が良くなり、活力がどんどんみなぎってくるのです。

 この温熱療法は疲弊し勢力を失った体に最適で、どんなに高価な栄養素より神通力があり、即効的で副作用がありません。体全体にくまなく血液を循環させて栄養素を配り、酸素を送ることにより、老廃物が掃除されいつも組織は生き生きと働き、病気とはほとんど縁が無くなるのです。年齢相応の老化でさえ、遅らせることが可能になります。

『注熱でガン・難病は治る』一部抜粋(三井と女子著:一光社刊より)

■全ての臓器は調和している

 三井先生は、全ての臓器を温存して、全体の調和を生かし切る治療が大切だと考えています。

「自分の身体から悪いところを切り取ってしまえば、それで解決するという考え方を根本から捨てる。臓器は一つ一つそれぞれ違った任務で働いていても、全部が全部手をつなぎあって体全体の運営にあたっています。『注熱でガン・難病は治る』(三井と女子著:一光社刊より)

 体内にある臓器たちは、みな兄弟のように協力しあっているからこそ、あなたの体は守られているのです。どこかの臓器の調子が悪くなったとしても、気づいて手を差し伸べてげることが大切です。日頃からのケアを大事にしましょう。

温熱療法はなぜ効果があるのか

■病気になるメカニズム

 人間の体にはいくつかの流れがあります。それは、①血液の流れ、②リンパの流れ、③ホルモンの流れ、④気(経絡)の流れ、⑤神経の流れ等があり、これらが正常に流れているから健康を保っていられるのです。食べ物一つを例にとっても、口から入れたものが消化器を通って、排泄されるのも一種の流れです。しかし、ストレス等でどこかの流れがアンバランスになると病気が生じてきます。ガンも特別扱いではなく、これらの仲間です。

 昔から「きたなきものも流れあればきたなからず」と言われている通り、常に滞りなく働いていればいつも組織は生き生きとして健康を保っていられるのです。しかし、現在の世の中はますます複雑多岐となっており、多かれ少なかれ心身が疲れ、ストレスが貯まり、生気を失って様々な病気が生じてくるのです。

■ガンはなぜできる?

 ここではガンを例にとって病気になるメカニズムを簡潔解説します。

がんを生み、育てる体内環境とは、ストレスによる①酸欠(血流障害)、②低体温、③交感神経優位(緊張状態)の3つとなります。

①酸欠の状態とは、あらゆるストレスや緊張の影響で③交感神経が優位となり、血液が本来のアルカリ性から酸性へと傾き血液がドロドロ(ph7.35以下)になり血液障害を起こす状態です。そして酸素がうまく行き届かず、やがて②低体温状態を導いてしまいます。血流が悪くなった先の細胞は、酸化しガン化してしまいます。(ガン患者の方は35度台が多い)

*詳細は『人がガンになるたった2つの条件』(安保徹著:講談社+アルファ文庫)を参照ください。

 

■温熱療法が効果がある理由

 三井先生が考案した温熱器はセラミックから遠赤外線を発生させます。遠赤外線は体の深部にまで熱を届けます。この温熱器を体に当てると、正常な臓器や部位では熱さを感じません。しかし、血流が悪いところに当てると瞬時に「あちち!」と反応します。体験すればわかりますが、とにかく熱い。同じスピード・温度で当てているのに、そこだけ熱く感じます。

 正しい方法で体表へ熱器具を当てるだけで体内のあらゆる部位の病変をほぼ的確にとらえることができるので、レントゲン検査、スコープ、生検、胃カメラなど、病人であればそれだけでかなりの体力的負担となる病院の検査の苦痛から守ることができます。

 三井と女子式温熱療では、まず背骨全体に注熱します。背骨の中には自律神経が通っているので、真っ先に注熱し自立神経のバランスを回復させます。

現代人はストレス過多。ほとんどの方が交感神経優位の状態にあります。交感神経優位の状態は、血管の周りに張り付いた神経が血管を締め上げ、結構が悪くなっています。最初に背骨に注熱することで、「副交感神経」を優位に戻してあげます。すると、血管が広がり血流が改善します。

次に、全身の経絡(チャプラ)に注熱します。人間の体は食べ物を食べて熱を発生させ体を維持していますが、直接「熱」のご馳走を体中の「ツボ」から注ぎ込みます。すると、熱たんぱく(ヒートショック・プロテイン)の働きで体中に活力が蘇ります。

また解毒の要である肝臓と腎臓にも集中的に注熱します。ストレスでこれらの臓器は疲弊しているのです。特にガン患者様の多くは、非常に強く反応します。

効果1:血流を改善させる。(血液ドロドロをサラサラに戻す。酸性をアルカリ性に戻す。)

効果2:副交感神経を優位にさせる。(ストレスから解放され、リラックスできます。)

効果3:NK細胞等が活性化し、免疫力が復活する。

効果4:低体温を改善させ、酵素の働きを復活させる。酵素が活発化し正常な代謝に戻ります。

    (ガン患者の体温は35台が多い、酵素は37度で正常に働く)

効果5:初期の段階で不調を探りあてることができ、治療できる。(診断、即、治療)

もちろんガンだけではなく、多くの病気や難病は血流が原因で病を引き起こしているため、温熱療法の効果は高いと言えます。風邪を退いた時にも熱が出ます。熱が出る理由はリンパ球がウィルスと戦うために高い熱を出しているのです。ガンやウィルスが直接熱に弱いということではなく、発熱した状態ではリンパ球が働きやすいためその環境を細胞自らが造っているのです。免疫の働きが発熱で支えられることを理解できれば、熱が出た時も薬などですぐに下げなくては、と考えることはなくなるでしょう。

温熱療法の効果はこれからも必要であり、取り組む価値があるでしょう。是非、一度当院にお越しいただき、温熱療法を体験していただければ幸いです。